割合に関する連立方程式の問題では、主に食塩水の濃度、売買における割引や割増、人数の増減などを扱います。これらの問題を解く際は、与えられた情報を整理し、適切な変数を設定して連立方程式を立てることが重要です。
学習のポイント
- 問題文から必要な情報を正確に読み取る
- 適切な変数(x, yなど)を設定する
- 割合を正確に式で表現する
- 連立方程式を立てて解く
- 得られた解が問題の条件を満たしているか確認する
一次方程式の割合の文章題も復習しておきましょう
基本的な問題の考え方
食塩水の濃度の問題
2%の食塩水と5%の食塩水を混ぜると、濃さが4%の食塩水が450gできました。2%の食塩水と5%の食塩水はそれぞれ何gありましたか。
まず、情報を整理するために表を作ります。
食塩水 | 濃度 | 質量 | 食塩の質量 |
---|---|---|---|
A | $\frac{2}{100}$ | $x$g | $\frac{2}{100}x$g |
B | $\frac{5}{100}$ | $y$g | $\frac{5}{100}y$g |
混合後 | $\frac{4}{100}$ | 450g | $\frac{4}{100} \times 450$g $= 18$g |
この表から、次の連立方程式が成り立ちます。
$ \begin{cases} x + y = 450\\ \frac{2}{100}x + \frac{5}{100}y = 18 \end{cases} $この連立方程式を解くと。
$$x=150$$ $$y=300g$$
したがって、2%の食塩水は150g、5%の食塩水は300gです。
売買の割引
定価の20%引きで売ると400円の利益が出て、30%引きで売ると200円の損になります。仕入れ値と定価を求めなさい。
仕入れ値をx円、定価をy円とすると、
次に、割引後の価格を表現します。
20%引きの価格:定価の(1 – 0.2) = 定価の0.8倍 = 0.8y
30%引きの価格:定価の(1 – 0.3) = 定価の0.7倍 = 0.7y
$\begin{cases} 0.8y – x = 400 \ \ 0.7y – x = -200 \end{cases}$$これを解くと、x = 2000円、y = 3000円となります。
人数の増減
あるクラスの男子と女子の人数の比は3:2です。男子が5人増え、女子が3人減ると、男女の比は7:4になります。もとの男子と女子の人数を求めなさい。
x:昨年の男子生徒数 y:昨年の女子生徒数
表で情報を整理します
生徒 | 昨年 | 変化率 | 今年 |
---|---|---|---|
男子 | x | 95% | 0.95x |
女子 | y | 110% | 1.10y |
合計 | 340 | – | 347 |
連立方程式を立てます:
$ \begin{cases} x + y = 340 \quad \text{(昨年の合計)} \\ 0.95x + 1.10y = 347 \quad \text{(今年の合計)} \end{cases} $この連立方程式を解くと、 x = 200(昨年の男子生徒数) y = 140(昨年の女子生徒数)
今年の生徒数は
男子:200 × 0.95 = 190(人)
女子:140 × 1.10 = 154(人)
答:今年の男子生徒数は190人、女子生徒数は154人です。
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*問題は追加する予定です
割合に関する問題1(売買)
割り増し、割り引きに関する問題です。式のたてかたが分からない場合は文字式の表し方から復習してください。
割合に関する問題2(食塩水、濃度)
食塩水の量、食塩の量を表す連立方程式を作ります。表を作って考えてみましょう。
割合に関する問題3(人数の増減)
割合で人数の増加、減少を表す式を連立方程式で作ります。